今週読んで、特に面白かった本、
ミッシェル・ロヴリック Michelle Lovric "
世界の奇妙な博物館"
原著 "
Cowgirls, Cockroaches and Celebrity Lingerie: The World's Most Unusual Museums"
題名の通り、世界の奇妙な博物館70余りを紹介、巻末には名前だけだが面白そうな所が300ずらり。中には博物館?というものもあるが、これだけ集め、実際取材しているらしいのでえらい。著者はベニス関連の著書が多く、
オフィシャルサイトもなかなかきれい。歴史小説(18世紀医薬品業界ミステリー、黎明期ヴェネチア印刷産業)、猫、ラブレターのアンソロジーやラブレターの書き方まで出している。
ネットでのみ覗ける博物館も多いが、私がちょと行ってみたい博物館約20箇所。他にもたくさん紹介されているので、興味のある人は本をどうぞ。リンクしたネットには大概オンラインショップがあるのでそれも忘れずに見よう。博物館に行く楽しみは、ギフトショップでの買い物の楽しみでもある。
シルバー・ウィークとかいうものもあるが、どこにも行かないので本やネットで旅行気分。少しさびしいが、肩が全快するまでは仕方ないな。
・沙漠(多分)・鉱山関連
硝石鉱山のゴーストタウン (チリ) The Nitrate Ghost Towns
Santa Laura and Humberstone, Iquique, Chile
周辺は沙漠らしい。チリの沙漠は行ってみたい。
ヴィエリチカ岩塩坑博物館 (ポーランド)
1992年に閉鎖された岩塩坑だが、坑夫たちが岩塩を掘って数多くの教会や様々な彫刻を残している。
・生き物?
ゴキブリの殿堂(米国)
虫・ゴキブリ嫌いの人は絶対行けないと思うが著者が冒頭で紹介するだけのことはある。害虫駆除Pestshopのオーナーが個人的に作ったもの。
カエル博物館 (スイス)
カエル関連の置物などを蒐集。それより、この中で言及されているもう一つのスイスの
カエル博物館 Le Musée des grénouilles がすごい。スイス護衛隊将校ムッシュ・ペリエが作った108のカエルの剥製展示。皮膚の弱いカエルをどうやって保存し表情までつけたかは謎だそうだ。
目黒寄生虫館 世界唯一の寄生虫博物館として一部ではとても有名な、特に海外観光客に知られている博物館。
ミュージアムショップにはサナダムシTシャツとかアニキサス・キーホルダーが人気と書いてある・・・。
なお、この本で取り上げられた日本の博物館のもう一つがなんと
きつねの神社(伏見稲荷大社)。伏見稲荷は門前町も楽しいし、でも神社に展示室とかは無かった気がするが・・・。
猫の博物館 (マレーシア・クチン)
行ったことがある。ガイドブックで見つけたが、クチン在住の友人も知らず、マレー語で町の人に聞いても、教えられるのは
市立博物館ばかり。市の名前がクチン、マレー語でクチンは猫を意味する。だから市立博物館も猫博物館もクチン博物館。「クチン(猫)博物館はどこですか」「ここがクチン(市)博物館だよ」「そうじゃなくて、クチン(猫)の博物館なんです」「だから、ここがクチン(市)の博物館」という、どうどうめぐり。在住者には全く有名ではないらしい。結局かなり郊外の丘の上にあったがすごく空いていた。歴史的価値のあるエジプトの発掘品や珍しいネコ科の野生動物の剥製と同列に、あのナメ猫写真まであってキッチュな博物館だった。
・アート
バッドアート美術館 (オンライン)
MOMAならぬMOBA(Museum of Bad Art)。だめな美術品ばかり蒐集。無名・素人画家のかなりどうしようもない作品とパロディ絵画批評がおかしい。
画集も出版したとHPにある。
私のお気に入りは画集の表紙にもなっている
展示 >
最近蒐集 にある
Mana Lisa。
鬱症派美術館 (オンライン)
退屈な画集に飽きた2人の設立者がいろいろな絵画を改変して鬱症派をでっちあげて展示している。彫像も蒐集されているらしい。
ピーナッツ博物館 Charles M. Schulz Museum あのコミック"Peanuts"のいろいろが展示されているチャールズMシュルツ博物館。普通のメジャーな博物館で、この博物館本に載ってるのが不思議。
ダリ劇場美術館 (スペイン・フィゲレス)
建物からシュールリアリズムにできているらしい。フィゲレスはダリの生地。
・科学・技術・医学
ジュラ紀のテクノロジー博物館 (米国)
アタナシウス・キルヒャーAthanasius Kircherのものもある。
英国芝刈機博物館 全くなじみのない機械だが、欧米ではいろいろな種類があるらしい。なぜここまでして芝を刈り込むのかよくわからないが、こういう機械ものはデザインが面白い。
古い手術階段教室 (英国)
ヨーロッパ最古の手術階段教室は1862年に板でふさがれ偶然100年後発見されて公開。手術用具とかも展示されていて不気味。
・飲食物
焦げた料理の博物館 (オンライン)
ここはサイト設立者が長電話でアップルサイダーを炭化させたことから始まった。食品というよりはアートという気もする。集まった作品は4万9千点超えたと設立者が言い張っているが・・・。
現在の展示は28個。見事に真っ黒。
スパム博物館 (米国)
SPAMはあの缶詰の豚肉ランチョンミートの商標。スパムメールのSpamの語源はBBCのモンティ・パイソンのコントなのは有名だが、コントでずっと「Spam!」叫ばれていたのは英国の食堂にSPAMの缶詰があふれかえっていたかららしい。(→
Wikipedia参照)この博物館でそのコントも見ることが可能。
ショップサイトには缶詰詰め合わせ以外にもいろいろある。
・歴史・社会
でっちあげ博物館 (オンライン)
科学者アレックス・バーザが蒐集したほら話や詐欺などのサイト。怪しい写真を分析したり、最新のインターネット詐欺もアップされているそうだ。
でっちあげ写真アーカイブスとか、
エープリルフールでっちあげコラムも読んでみたい。
いかがわしい医療器具博物館 (米国)
ケロッグ博士の怪しい健康法器具など、いんちき療法の物的資料などをボブ・マッコイ氏が400点超蒐集し、ミネソタ科学博物館に寄付。ケロッグ博士をモデルにした小説T.コラゲッサン・ボイル"
ケロッグ博士" (The Road to Wellville)を読んだことがあるが面白かった。
全米葬祭博物館 National Museum of Funeral History サイトのお棺展示で有名なガーナのお棺が並んでいる。日本の屋根付き金ぴかの霊柩車も展示されていいるらしい、確かに珍しい車だけど、最近は流行らなくなって地味なリムジンの方が人気。日本でも早めに博物館に収蔵しないと。
なお、巻末に名前だけあったのが横浜市港北区綱島にある
靴下博物館 (坂田記念資料館内・要電話予約)
ちょっと行ってみたいが、サイトで日本最古の水戸光圀の靴下とかジャイアント馬場の靴下とか、靴下の歴史とかいろいろ読むことができる。楽しい。
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奇妙な博物館紹介サイト:・愛・蔵太のもう少し調べて書きたい日記 >
[リンク]『世界の奇妙な博物館』で紹介された博物館リンク(保存版) 「世界の奇妙な博物館」の本文で紹介された博物館リンク集。いくつかもう既に行方不明もあるが労作。
・
Atlas Obscura 世界中の奇妙な場所、物が写真付きで紹介されているサイト。
・Telegraph.co.uk >
The world's most unusual museums イギリスの奇妙な場所を紹介。
・Listphobia >
10 Most Artistic and Unusual Museum Designs 奇妙な形の博物館10。このサイトにはいろいろなベスト10がある。
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