仕事が超忙しいのだが、ちょっと息抜き。
昨日の
トリプルネガティブ乳がん財団(TNBCF)のTwitterサイトで紹介された記事の気になった所だけ、以下にメモ。
(一般向けの記事なので、表現がやや正確さを欠く気がするが)
スチュワートさんというTNBCFのオンラインディスカッションの参加者が登場するが、そこは略。
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記者:Diane Loupe,
Triple-Neg Breast Cancer Stirs Screening Debate(
トリプルネガティブ乳がんがスクリーニング検査の論議を呼ぶ,
Wemen's eNews, June 22 2010)
西アフリカ出身女性に多いとされるトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対するスクリーニング検査の影響が、医師たちの論議を呼んでいる。米国在住の乳がんの黒人女性では、TNBCの発生率がより高く、より若年で罹患するため、ある医師たちが、より若い乳がん検査を促した。
ミシガン大学の乳がんセンターのDr. Lisa A. Newman:
TNBCと診断される中心値は53才、他のタイプは58才。年に30000人がTNBCと診断される。
ダナファーバー癌研究所のKathryn J. Ruddy腫瘍内科医:
この約10年でTNBCは乳がんの独立したサブタイプだと理解されるようになった。
多くの乳がんは上皮細胞の並ぶ乳管で発生するが、TNBCはそれより下の基底細胞で起こるようで、より侵襲的。
2009年のJournal of the National Cancer Instituteの文献などによると、乳がんの10-20%がTNBCだが、乳がん死亡者の25%を占める。
トロント大学のDr. Rebecca Dent:
TNBCは平均的により若年で発生し、より大きな腫瘍になり、より早く転移し、転移は胸、脳、肝臓に多く、骨には少ない。
Global Cancer ControlのTNBCのトップ研究者の
Dr. Bert M. Petersen, Jr.:
TNBCは特に西アフリカ出身の黒人女性でより多いために、アフリカ系米国人ではより早く乳がん検査をすべきと考えた。マンモグラフィ検査をアフリカ系女性は40才で始める、そして強い家族歴がある場合は、家族の発症年齢より、5-10年早く始めることを勧めている。
これが、議論を呼んだ。
U.S. Preventive Services Task Forceの
Dr. Ned Calonge:
早い検出は必ずしも生存期間を延ばさない。
彼のグループは、昨年、40才より若い乳がんのマンモグラフィ検査の推奨を批判。このような検査は誤った陽性診断、過剰診断や不要な治療を増やすだろうと主張。
昨年11月のAnnals of Internal Medicineの研究によると、40-50才の定期的マンモグラフィは15%死亡率を減らすとするが、これはマンモグラフィをしても、乳がんのある女性7人のうち、6人は乳がんで亡くなることを意味する。強い家族歴がなければ、40才より若いアフリカ系米国女性の検査をするのは難しい。胸の痛みのような症状が無ければ、いくつかの健康保険はマンモグラフィ検査をカバーしない。
Dr. Bert M. Petersen, Jr.はTNBCを研究するため、西アフリカで乳がん女性の組織を収集する計画を立てている。彼は乳がん研究のためだけでなく、他のアフリカ系の人々の病気(例えば高血圧、糖尿病、結核)を防止するため、正常な組織のバンクを創設するとガーナの官僚に話している。
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強い家族歴のある(TNBC発生率の高い)グループの女性は、若年で検査をすべきかどうか。医師間でも、このような議論があるとは。
theme : 乳がん
genre : 心と身体
tag : 乳がん トリプルネガティブ 文献 TNBCF 検査 マンモグラフィ 若年