昨年の今頃は、抗がん剤を3週毎に点滴、ほぼ毎週、検査のため通院。乳がんの
免疫組織化学(IHC immunohistochemistry)の染色ではER,PgRが陰性で
HER2が
+2だったが
FISHでHER2陰性と確定。
そこで、乳腺外科主治医(グループ診療なので3人)たちに、マイクロアレイで遺伝子検査したいと言ったら、
「治療法は変わらないので、無駄です」
その通り。なのだが、それですっかり乳がんの勉強する気が失せる。後で「
CK5/6なら免疫染色でできるけど」と言ってくれたが、どうでもよくなってしまった。これ以上知った所で、治療法は変わらないと言うのだから。
思い起こせば、勉強を始めたのは、人間ドックで胸にしこりが見つかり行った検査専門の病院の乳腺外科医が、初回の受診時から「乳がんに関する本を読んで勉強してください」と言ってくれてたから。それにはとても感謝している。その時の検査では乳がんは見つからず、経過観察、約9ヶ月後確定。勉強する時間は確定までたっぷりあった。関連図書に目を通し、参考文献をネットなどで検索、いくつかの科学・医学系のサイトにも登録して情報を定期的に受け取っていた。
乳がんに興味がなくなったが、関連分野に楽しく道草しに行く。分子生物学、進化医学、システム生物学・・・。ただ、手術後は、痛いだの痺れだののおかげで、解剖学や生理学、免疫系、神経系や痛みを勉強。それから、術後の抗がん剤決定のため、再度乳がん関連の治験論文を読み始める。
治療開始一年。集めた論文、資料が膨大になり、整理を思い立ちブログを書き始めて、論文などを読み直す。去年よりよくわかる。道草は無駄ではなかった。
勉強は無駄にならない。少なくとも、面白い時間が過ごせる。知ることに目的は必要ない、知ること自体が目的になる。
けれども、
トリプルネガティブ乳がん財団(TNBCF)のForumサイトで腫瘍内科医に遺伝子解析しなさいと言われ相談する(価格が高い?役に立つ?)メッセージを見る度に思うこと。
検査に適合する乳がん組織がある内に、マイクロアレイで遺伝子解析したかったなと。理系オタクの繰言。
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